コードとは何か?

①はじめに

音楽におけるコードと言う言葉を聞いたことがあるだろうか。

 

コードはギターやキーボードなどを演奏する機会のある人はほとんどの人が、コードを勉強して習得している一方で、「耳コピ」(耳で聴いて演奏するスタイル)をする人もいるので、コードという名前こそ知っているが、その内容については必ずしも全員が知っているわけではないと思われる。

 

このブログは音楽を演奏する楽しみとその効果について広く普及させるために、コードの重要性を解説するものとなっている。

 

歌を歌うこと(メロディ)、ダンスをすること(リズム)は広く娯楽として親しみ、楽しまれているが、和音(コード)を知ることは、より音楽の「深さ」を体験することに加えて、歌や楽器の演奏にも大変役に立つものであるから、一般社団法人日本音楽技術協会としては広くコード理論の理解と習得を推奨している。

② コードとは

コードとは一言で言えば「和音」のことである。

 

昔、クレジットカードのアメックスのCMに「ルールは無い、コードがある」というキャッチコピーがあったが、音楽におけるコードもそれに近いものがあり、きっちりした規則というよりは、例外も含む規定というニュアンスの方が近いと思う。

 

参考までに、辞書から引用した文章を記しておく。

  • 「ドレスコード」や「放送コード」などの語における「コード」は、英語の「code」に基づき、 「規則」「規定」といった意味の語である。
  • 「符号」という意味もあり、コンピュータプログラミングにおける「コーディング」やデータ圧縮における「エンコード」、あるいは「文字コード」などの語は code である。
  • 音楽理論や楽器演奏における「コード」は、英語の「chord」に基づく語であり、弦楽器の「弦」、および、その楽器から生み出される「和音」を指す。不協和音はディスコード(discord)という。

③ 音楽の3要素について知る

音楽の方程式を以下に示す。

 

音楽=メロディ(旋律)+コード(和音)+リズム(拍子)

 

音楽は、「メロディ」(旋律)と「リズム」(拍子)に加えて「コード」(和音)で成りなっているのが一般的である。

 

もちろん、バッハの無伴奏チェロ組曲の様にメロディだけで成立している曲もあれば、和太鼓など打楽器のリズムだけで構成されている曲も存在する。

 

しかしながら、世の中のほとんどの曲はメロディ(旋律)とコード(和音)とリズム(拍子)が組み合わさって出来ている。なぜなら、その3要素が揃っている方が最も「音楽的」であり、人々の情動を揺り動かすのに最適だからである。

④ コードとリズムだけの音楽

その3要素のどれが欠けても音楽として成立しないことが多いが、実はメロディは無くても音楽として成立することがある。

 

例えば、音楽のレコーディングにおいて先にドラムやベースやキーボードなどのバッキングトラックを先に作ってしまい、後から歌などのメロディを入れるのが一般的であるが、そのバッキングトラックだけでも十分音楽として聴けることがあるのだ。

⑤メロディだけの音楽

では、今度は歌や楽器などでメロディだけを演奏してみると、不思議なことに最初は何の曲であるのか分からないことがある。これは、最初は和音とリズムが無いので曲の座標軸の様なものが把握できないからである。

 

メロディをある一定の時間演奏してゆくとようやく「ああ、あの曲か」とリスナーは認識することになる。理由は、メロディはコードの構成音を行ったり来たりして出来ているケースがほとんどだからである。つまり、メロディを奏でるということは、コードをアルペジオ的にリズムに乗せて演奏していることと言える。

⑥リズムだけの音楽

木琴やグロッケンなどのメロディ楽器は除いて、ドラムなどの打楽器のリズムだけでは何の曲か分からないケースがほとんどであろう。そこには、音楽におけるメロディという横の時間軸に対してリズムという縦の時間軸しかないからである。

⑦コードだけの音楽

コード(和音)だけを演奏した音楽はどうであろうか。例えば、ビートルズの「レット・イット・ビー」をピアノでイントロから演奏してみると一瞬でこの曲はビートルズの「レット・イット・ビー」であると認識することが出来る。また、歌が無くても脳内で曲のメロディを容易に演奏することが出来る。

 

何故なら、コード(和音)はメロディの要素とリズムの要素を両方持ち合わせたものだからである。いわばメロディとリズムの橋渡し役である。

⑧ベースの役割について

ちなみに、楽器において似たような役割を担うものにベースがある。ベースはメロディ(歌、ギター、キーボードなど)とリズム(ドラムなど)を橋渡しのような役割を持っている。コードにおけるベースの役割は、後に記述する「ルート」にも関連してくる重要な機能となっている。

⑨コードの重要性について

一般的に音楽はメロディとリズムが分かりやすいこともあり、その2要素がクローズアップされがちであるが、前述したとおりその2つだけでは音楽はかなり物足りないものになってしまう。

 

言わば、人間の体に例えると、メロディは顔、リズムは足、コードは体全体と言っても良いかもしれない。

 

顔と足だけで動く人間に違和感を覚えると思うが、それを纏める体が存在して初めて自然な人間として認識できると考えると理解しやすいだろう。

 

つまり、コードはメロディとリズムと共に音楽を音楽に命を吹き込むのに欠かせない重大要素である。

⑩コードを学ぶことについて

音楽を演奏することなく、聴くだけやカラオケで歌う程度の人はコードを知ると音楽の深みを知ることとなり、更に音楽が好きになるだろう。

 

ピアノやギターなど楽器を演奏する人でも、コードを深く知らぬまま演奏している人が散見される。この様な人もコードを学ぶことによってその深さを知るのみならず、演奏にも影響してくる重要な要素であることを認知することになるだろう。

 

いずれにしても、コードを学ぶことは音楽をする人にとって重要なことであるのは疑う余地がない。

まとめ

  • 音楽におけるコードとは「和音」のことである。
  • 音楽は、「メロディ」(旋律)と「リズム」(拍子)に加えて「コード」(和音)で成りなっている。
  • 一般的にその分かりやすさからメロディとリズムは重要視されがちだが、より音楽を深く知るためにコードを学ぶことは大変重要である。